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広帯域コヒーレント回折撮像
Nature Photonics 14, 10 doi: 10.1038/s41566-020-0660-7
アト秒科学における最近の技術的進歩は、最短の空間スケールと時間スケールで電子過程を追跡する可能性を秘めている。しかし、これに必要なアト秒時間分解能とナノメートル空間分解能を兼ね備えた撮像方法は、今のところ存在しない。準単色照明の試料による回折に基づく通常のコヒーレント回折撮像は、アト秒スペクトルの極端な広さと本来的に両立しない。今回我々は、広帯域照明を使ってコヒーレント回折撮像を可能にする方法を提示する。この方法は、回折された放射のスペクトルにのみ依存する行列の正則化反転による、広帯域回折パターンの数値単色化に基づいている。可視光と硬X線放射を使った実験的検証によって、この方法の適用可能性が示された。この方法は一般性があり実行が容易であるため、ペタヘルツエレクトロニクスやアト秒ナノ磁性などに広く応用されると、我々は予想する。