Article

中空コア導波路を用いた気体における強いブリルアン増幅

Nature Photonics 14, 11 doi: 10.1038/s41566-020-0676-z

全ての非線形効果の中で、誘導ブリルアン散乱は、固体物質中で最も高い利得をもたらし、導波路において先進的なフォトニクス機能を示している。気体は圧縮率が大きいので、凝縮物質と比べて誘導ブリルアン散乱の効率が高くなる可能性が示唆されている。今回我々は、高い圧力で気体を充填した中空コアファイバーを用いることによって、固体シリカコアを有するファイバーで観測された利得の6倍を超える強いブリルアン増幅(単位長さ当たり)を達成した。この大きな増幅には、強い光閉じ込めに加えて、圧力を高めた際の分子密度の増大と音響減衰の低下が役立った。我々は、この方法を用いて、中空コア導波路における大きな光増幅能力を実証する。低しきい値気体ブリルアンレーザーと高性能分布型温度センサー(本質的にひずみ交差感度がない)の実装は、中空コアファイバーの可能性を説明する良い例であり、その集積化によるレーザー発振、センシング、信号処理への道を開くものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度