Letter
フォトニックモアレ格子におけるねじれ角によって制御される光ソリトン形成
Nature Photonics 14, 11 doi: 10.1038/s41566-020-0679-9
調整可能な幾何学的特性を特徴とする合成物質のランドスケープが物理過程に及ぼす影響を探究することで、顕著な現象が次々と明らかになっているため、現在そうした探究が大変興味深い研究の方向になっている。ツイストロニクスや、モアレ格子における波動励起の特性は、その重要な例である。モアレパターンは、非周期構造と完全結晶の間のギャップを埋めるため、整合相から不整合相への転移に伴う効果の探求への道を開く。モアレパターンによって、グラフェンベースの系における重要な効果が明らかになっている。また、モアレパターンは、極低温原子の操作やゲージポテンシャルの生成に用いられるとともに、コロイドクラスターにおいて観測されている。最近、フォトニックモアレ格子によって、純粋に線形なシステムにおける光の二次元局在-非局在転移の観測が可能になることが示された。今回我々は、光屈折性非線形媒質において光学的に誘起されたモアレ格子を用いて、構成サブ格子がなすねじれ角によって制御されるさまざまな幾何学的条件下で光ソリトンが形成されることを明らかにしている。我々は、完全に周期的な幾何構造から非周期的幾何構造へと滑らかに転移する格子においてソリトンが形成され、そのしきい値特性にフラットバンド物理がそのまま直接現れることを観測している。