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ひずんだメタ表面におけるポラリトンに対する調整可能な擬似磁場

Nature Photonics 14, 11 doi: 10.1038/s41566-020-0688-8

人工的にひずませた格子において生じる擬似磁場によって、かつては荷電粒子に限定されると考えられていたエキゾチック現象の模倣が可能になっている。しかし、これまでのところ、擬似磁場は人工のひずみ構造によってのみ決まり、設計によって定まるため、実磁場の調整可能性を模倣できていない。今回我々は、相互作用するダイポール・エミッター/アンテナで構成されるひずんだハニカムメタ表面によって維持されるポラリトンに対する擬似磁場を調整する普遍的な機構を明らかにする。我々は、ひずみ構造を変えることなく、双極子–双極子相互作用の性質を変化させる封入型共振器導波路を通して周囲の電磁環境を変えることによって、擬似磁場強度を調整できることを示す。短距離クーロン相互作用と光を介する長距離相互作用が競合するため、臨界共振器幅において、ひずみを除去することなく擬似磁場を完全にスイッチオフできる。結果として、我々は、共振器幅のみを変化させることによって、オン/オフスイッチングできる調整可能なローレンツ的な力と、ポラリトンランダウ準位の崩壊と回復を実証した。この調整可能な擬似磁性を解明することで、従来の強束縛物理のパラダイムを越える新たな興味深い問題が提起される。

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