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レーザー生成テラヘルツパルスを使った相対論的ビームの加速
Nature Photonics 14, 12 doi: 10.1038/s41566-020-0674-1
レーザー生成テラヘルツパルスによって駆動される粒子加速器では、従来の高周波技術と比較して、粒子バンチのエネルギー・時間位相空間の前例のない制御が可能になる。今回我々は、テラヘルツ駆動線形加速器における相対論的電子ビームの加速を実証する。狭帯域のテラヘルツパルスは、35 MeVの60 pC電子バンチとの長い同一直線上相互作用のための、長方形の誘電体で裏打ちされた導波路の位相速度整合動作周波数に調節され、チャープバンチ(6 ps)に多サイクルエネルギー変調を、サブサイクルバンチ(2ps)に注入位相に依存したエネルギー利得(最大10 keV)をもたらす。こうした原理証明になる結果は、サブピコ秒粒子ビームのバンチ全体の線形加速への道を確立し、ビーム品質を維持できるスケールアップされた多段階設計に直接適用できるため、将来の相対論的ビームのテラヘルツ駆動加速への重要な節目となる。