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セキュリティの高い暗号化のための軌道角運動量ホログラフィー
Nature Photonics 14, 2 doi: 10.1038/s41566-019-0560-x
ホログラフィーは、さまざまな物理的次元を通した、三次元ディスプレイ、光暗号化、顕微鏡法、人工知能(AI)のための重要なプラットフォームとみなされている。しかし、波長や偏光とは異なり、光の軌道角運動量は、らせん波面が独立な物理的次元であるにもかかわらず、ブラッグ回折公式にらせんモード指数選択性がないために、ホログラフィーのための情報担体として使われてこなかった。今回我々は、理論的ならせんモード指数限界なしに空間周波数領域で強い軌道角運動量選択性を発見することによって、軌道角運動量ホログラフィーを実証する。軌道角運動量ホログラフィーによって、らせんモード指数が−50から50までにわたる、広い範囲の軌道角運動量依存ホログラフィー画像の多重化が可能になり、セキュリティの高い光暗号化のための10ビット軌道角運動量符号化ホログラムにつながった。最大210の異なる軌道角運動量依存ホログラフィー画像を示す今回の結果は、これまで利用できなかった軌道角運動量を使った超大容量ホログラフィー情報システムの実現への新たな道を示している。