長距離相互作用があるフォトニックカゴメ結晶の高次トポロジカル状態

フォトニックトポロジカル絶縁体によって、製造精度に関係なく、欠陥や無秩序性に対して回復力のあるトポロジカル境界モードが可能になる。この特性は、トポロジカル保護と呼ばれている。元々はトポロジカル絶縁体の次元数よりも1だけ低いモード次元数に限定されていたが、最近発見された高次トポロジカル絶縁体（HOTI）によって、より広範囲の次元数にわたってトポロジカル保護が得られている。今回我々は、トポロジカルバルク分極を示し、この構造のコーナーに閉じ込められた高次のゼロ次元状態だけでなく、1次元エッジ状態も出現するカゴメ格子のフォトニックHOTIについて報告する。興味深いことに、最隣接相互作用に起因するコーナー状態に加えて、長距離相互作用によって生じる、フォトニック系に特有の新種のトポロジカルコーナー状態が見いだされた。今回の知見は、フォトニックHOTIには凝縮物質のHOTIよりも豊かな物理があることを実証しており、類のないトポロジカルロバスト性がある新しいデザイナー電磁状態を生み出す機会が得られる。