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単分子層をグラフトした光共振器からのラマンレーザー
Nature Photonics 14, 2 doi: 10.1038/s41566-019-0563-7
ラマン技術によって、表面科学、単分子化学、生物学に関連する多くの画期的な科学的発見が可能になった。例えば、表面に結合した分子がラマン振動モードによって特定され、偏光に依存するラマン利得が実証されている。しかし、自発ラマン散乱から誘導ラマン散乱への遷移を可能にするのに十分大きな表面光子ポピュレーションの実現が困難であるため、表面に制限されたラマンレーザーはまだ実証されていない。今回我々は、表面化学と集積フォトニクスの進歩を組み合わせて、表面誘導ラマン散乱(SSRS)に基づくレーザー発振を実証している。集積シリカ光微小共振器の表面に束縛された方向性Si–O–Si単層を形成することによって、低いしきい値パワー(200 μW)でSSRSに必要な条件が達成された。また、Si–O–Si結合の方向性に由来する、予想されたSSRSの偏光依存性が観測されている。この規則正しい単層によって、ラマンレーザー発振効率が約5%から40%以上へ向上した。