Letter
複雑な散乱環境におけるマイクロマニピュレーションのための最適な波動場
Nature Photonics 14, 3 doi: 10.1038/s41566-019-0550-z
光を使った小物体の操作は、物理学から生物学や医学まで多くの研究分野で不可欠なツールになっている。今回我々は、任意の形状の標的に対して、不規則媒質などの複雑な環境の内部で、最適レベルの効率でマイクロマニピュレーションを行う方法を実証する。我々の方法は、標的の近接場で特性が最適になる遠距離場での波面を設計して、できる限り強い力、圧力、トルクをかけるとともに、標的の内部に最も効率よく集束させるものである。この非反復技術は、系の散乱行列と、特定の標的パラメーターの小さな変化に対する散乱行列の依存性から得られる(標的の近接場へのアクセスを必要としない)、単純な固有値問題に基づいている。我々はこの概念を例証するため、マイクロ波領域で原理証明実験を行い、我々の予測を十分に確かめた。