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エッジの高効率アミノ化による高輝度・高色純度・深青色カーボンドット発光ダイオード
Nature Photonics 14, 3 doi: 10.1038/s41566-019-0557-5
450 nm未満の波長で発光する深青色発光ダイオード(LED)は、固体照明、高鮮明ディスプレイ、高密度情報記憶向けに重要である。主としてカドミウムや鉛などの重金属を用いたコロイド量子ドットは、深青色LED用として有望な候補であるが、これまで外部量子効率が1.7%未満であった。今回我々は、カーボンドットに基づく深青色の発光材料と発光デバイスについて報告する。カーボンドットは、高いフォトルミネッセンス量子収率(70% ± 10%)で狭い半値全幅(約35 nm)の発光を生じる。その色度座標(0.15, 0.05)は、Rec. 2020規格の標準色 (0.131, 0.046)に非常に近い。コンピューターによる研究とともに構造評価と光学的評価を行ったところ、この高効率・高色純度発光は、アミンによるパッシベーション処理に起因することが明らかになった。カーボンドットを用いた深青色LEDは、最高輝度が5240 cd m−2、外部量子効率が4%であり、高い性能を示す。注目すべきことに、この外部量子効率の値は、これまで報告された溶液プロセスによる量子調整された(quantum-tuned)深青色LEDの値を上回っている。