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ランダムレーザーを使ったスペクトル超分解能分光法
Nature Photonics 14, 3 doi: 10.1038/s41566-019-0558-4
超解像顕微鏡法とは、回折限界を超える一連の強力な撮像技術のことである。こうした技術の一部は、その重要性が2014年のノーベル化学賞で認められており、空間的なスパースサンプリングによる画像再構成という概念に基づいている。今回我々は、周波数領域でのスパースサンプリングに基づく超分解能分光法の概念を導入し、ランダムレーザー光源を使って自然に実現できることを示す。ランダムレーザーの放出スペクトルの特徴は、カオス領域では、放出帯域幅にわたってまばらに分布する相関関係がない周波数の鋭いスパイクである。この狭いレーザー発振モードによって、試料のスペクトル応答が確率的に調べられ、分光計の分解能を超える分解能でのスペクトル応答の再構成が可能になった。我々は、今回提案した技術は、設置面積が小さく、単純で安価で高分解能の新世代の分光ツールをもたらすと予想する。