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透明な光検出器による測距と光場イメージング
Nature Photonics 14, 3 doi: 10.1038/s41566-019-0567-3
光イメージングシステムの中核は、光検出器である。従来の光検出器は、カメラのフィルムでも半導体チップでも目の網膜でも、入射光のほとんどを吸収し、光景から投影されたニ次元(2D)の光分布を記録するように設計されている。しかし、3D物体からの光の強度分布は4D光場で記述できるので、より高い次元の光情報を獲得できる光イメージングシステムは非常に魅力的である。今回我々は、透明なグラフェン光検出器のスタックを使った、この概念を証明する光場イメージング方式を報告する。我々は、光感知層、伝導チャンネル層、ゲート層、相互接続としてグラフェンを使って、透明な基板に光検出器を作製し、感度の高い光検出と高い透明性を同時に可能にした。この技術によって、光経路に沿って積み重ねることができるセンサーアレイを開発する可能性が開かれ、全く新しい構成の光イメージングデバイスが可能になる。我々は、透明検出器を2つ積み重ねて深さ測距を実験的に実証するとともに、高密度な2D透明センサーアレイの作製に成功した後適用できる、単一露光から計算によって4D光場を復元する方法を開発した。