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アト秒の速さの内部光電子放出
Nature Photonics 14, 4 doi: 10.1038/s41566-019-0580-6
光電効果には、内部光電子放出と呼ばれるオプトエレクトロニクスに重要な姉妹過程がある。この場合、光によって電子が金属から半導体へと放出される。光電効果は100アト秒(1アト秒は10−18秒)未満で起こるが、内部光電子放出についてはこれまでアト秒時間スケールは測定されていなかった。我々は、レーザーパルス持続時間依存性飽和フルエンス決定による電荷移動時間測定(CHArge transfer time MEasurement via Laser pulse duration-dependent saturation fluEnce determination; CHAMELEON)という新しい方法に基づいて、バルクの炭化ケイ素と結合した原子レベルの薄さの半金属グラフェンが、ショットキー接合を形成し、(300 ± 200) asという速さの電荷移動時間を可能にすることを示す。この結果は、単純な量子力学的モデルシミュレーションによって裏付けられた。電荷移動速度について3.3 PHz (1 PHz = 1015 Hz)というカットオフ帯域幅が得られており、この半金属/半導体界面は、将来の光波信号処理に必要な速度と設計空間をもたらす機能性固体界面となる。