非発光再結合損失が低くエネルギー的乱れが小さい高効率有機太陽電池

有機太陽電池（OSC）内のエネルギー損失は、電池効率を低下させるため好ましくない。特に、非発光再結合損失とエネルギー的な乱れは、バンド端以下のテイル状態や全体的な光子エネルギー損失と密接に関連しており、電池性能を向上させるには最小限にする必要がある。今回我々は、ねじれのない分子コンホメーションの小分子アクセプターを用いて、OSCにおいて非常に小さなエネルギー的乱れを実現するとともにエネルギー損失を軽減する方法を報告する。今回作製した単一接合OSCは、非発光再結合に起因するエネルギー損失がわずか0.17 eVであり、最高16.54％という高い電力変換効率を示した（米国立再生可能エネルギー研究所によって15.89％と認証された）。今回の知見は、エネルギー的乱れの限界と電荷生成のためのエネルギーオフセットが大きいという制約を超えて、有機太陽電池の研究を新たな領域へと導くものである。