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画像微分を行うフラットオプティクス

Nature Photonics 14, 5 doi: 10.1038/s41566-020-0591-3

画像処理は、さまざまな科学技術分野の基幹技術になっている。画像処理の大半はデジタル処理によって行われ、光学アナログ処理には、低出力で高速であるという利点があるが、大きな体積が必要である。今回我々は、直接画像微分を行うフラットオプティクスを実証し、これによって必要な光学系のサイズの大幅な縮小が可能となった。まず我々は、エッジ検出を行う開口数が最大0.32の市販の光学顕微鏡やカメラセンサーなどの従来の撮像系と微分器を組み合せる方法を実証した。次に、この微分器とメタレンズを統合し、モノリシック複合フラットオプティクスとして処理システム全体を実現する方法を実証した。この複合ナノフォトニックシステムによって、薄い形状因子の利点と複雑な伝達関数を実行する能力が明らかになり、生体撮像やコンピュータービジョンなどの応用に新たな機会が開かれる可能性がある。

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