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超高速、サブナノメートル精度、多機能の飛行時間検出
Nature Photonics 14, 6 doi: 10.1038/s41566-020-0586-0
変位の測定は、現代の科学技術における基本的な機能である。さまざまなレーザー測距法によるそうした測定の精度は著しく進歩しているが、高速で複雑な力学的変位を捉えることができない。今回我々は、フェムト秒光パルスと周波数同期した電気波形による飛行時間検出を使った、変位測定法を確立した。この方法は、極めて速い測定速度、サブナノメートルの精度、数ミリメートルを超える非曖昧性範囲の独特な組み合わせになっている。実現された性能は、これまでにない検出速度と精度を特徴としている。その精度は、4 nsの取得時間での24 nmの精度から出発して、5 msの取得時間で180 pmに到達できる。我々は、この方法を使って、単一事象の高速かつ高ダイナミックレンジの力学的変位を実時間検出したことを示す。この性能によって、広帯域の過渡的な非線形力学的ダイナミクスをリアルタイムで調べる新たな測定プラットフォームや分析プラットフォームを実現できる。こうしたプラットフォームは、オプトメカニクス、亀裂の開始、動的な変形、非線形振動、超音波現象、細胞が生成する力を直接プローブする際に有用になる。