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線形生成率-透過率限界を超える量子鍵配送の実行
Nature Photonics 14, 7 doi: 10.1038/s41566-020-0599-8
量子鍵配送(QKD)によって、セキュアな鍵交換への長期的な解決策が得られる。リピーターのない鍵生成率は、光子の伝送損失によって、透過率の一次関数O(η)で制限され、セキュアな最大伝送距離が制限されると考えられていた。最近、新たなタイプのQKDスキームによって、線形限界を超えての鍵生成率性能が達成されることが示されている。今回我々は、レーザー注入技術と位相事後補正法を使うことによって、2つの独立なレーザーのモードをマッチングし、位相変動を克服した。その結果、302 kmと402 kmの市販ファイバーチャンネルで、鍵生成率が既存の結果よりも4桁以上高い線形限界を超えた。さらに今回のシステムは、502 kmの超低損失ファイバーで0.118 bpsの秘密鍵生成率を達成した。この新たなタイプのQKDによって、将来の量子インターネットのための長距離量子通信が推進される。