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原子レベルの薄さのレンズの励起子共鳴によるチューニング

Nature Photonics 14, 7 doi: 10.1038/s41566-020-0624-y

共鳴型光アンテナの高度に操作できる散乱特性が、メタ表面を用いたフラット光学素子の動作を支えている。これまでのところ、アンテナの選択肢は、幾何学的なプラズモン共鳴やミー共鳴を示す成形金属ナノ構造体や高屈折率半導体ナノ構造体に限られている。こうした共鳴素子は、強い光物質相互作用をもたらし、散乱位相と散乱振幅の制御に優れているが、電気的な調節性が極めて限定的であることが分かっている。今回我々は、原子層半導体における励起子共鳴を第三のタイプの共鳴として利用して、フラットな可変光学素子を作製する方法を実証している。こうした材料ベースの強い共鳴は、さまざまな外部刺激による調節性の点では他に類がない。我々は、このコンセプトを説明するために、パターニングしたミリメートルスケールのWS2ゾーンプレートレンズの集光効率を励起子によって増大させる方法を初めて実証している。また我々は、電気的なゲート制御で励起子共鳴を完全にオン・オフする方法を示し、それによって集光効率を33%調節している。

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