Letter

カー微小共振器ソリトンの熱デコヒーレンスとレーザー冷却

Nature Photonics 14, 8 doi: 10.1038/s41566-020-0651-8

熱雑音は、微視的系や高精度測定において至る所に存在している。熱雑音を制御すれば、量子の領域が明らかになり、基礎物理の探求が可能になると思われる。最近、微小共振器の非線形性によって、カー微小共振器ソリトン周波数コムなどのレーザーデバイスが可能になった。ソリトンマイクロコムによって、非線形ダイナミクスが調べられ、光シンセサイザー、光時計機能、データ通信システムが可能になる。今回我々は、熱雑音がマイクロコムの基本的なデコヒーレンスをどのようにもたらすかを調べている。我々は、コムモードの集まりである粒子状ソリトンが、そのシリコンチップベースの共振器の熱ゆらぎと密接に結合していることを示す。そのため、マイクロコムのモード線幅は熱的に広げられ、我々は、ソリトン有効温度を通してこうした熱雑音相関を特徴付けた。さらに我々は、パッシブレーザー冷却によって、ソリトンの熱デコヒーレンスが環境温度限界のずっと下まで低下することを実証している。我々は、光熱強制によってレーザー冷却を行い、84 Kへの周波数コムモードの冷却を観測した。今回の研究は、非線形フォトニクスと微視的ゆらぎの間の固有の関係を明らかにしている。

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