小ねじれ角2層グラフェンにおける強い中赤外光応答

小ねじれ角（2°未満）2層グラフェンは、興味深い物理的特性を示すため、最近大きな注目を集めている。単層グラフェンと比較すると、ねじれ2層グラフェン（TBG）では、ブリルアンゾーンの折りたたみによって超格子バンドギャップの形成や状態密度が大きく変化する。しかし、こうした創発的特性を利用して新しいオプトエレクトロニクスデバイスを実現させた例はほとんどない。今回我々は、5～12 μmという中赤外波長領域において、ゲート調整できる強い光応答を実証する。1.81°のTBGのフェルミ準位を超格子バンドギャップに合わせると、12 μmにおいて最大外部光応答度26 mA W⁻¹が達成された。さらに、強い光応答は、超格子バンドギャップの形成に大きく依存しており、ねじれ角が非常に小さい（0.5°未満）ギャップレスの場合には消失する。今回の実証によって、TBGの有望な光学特性が明らかになるとともに、調整可能な中赤外オプトエレクトロニクスのための代替材料プラットフォームが得られる。