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熱伝導率が高い炭化ケイ素基板上の108 GHz帯域幅の直接変調メンブレンレーザー

Nature Photonics 15, 1 doi: 10.1038/s41566-020-00700-y

半導体レーザーの変調速度の向上は、レーザー物理学とレーザーの応用の両面から大きな関心を集めている。今回我々は、変調帯域幅の限界を克服する、屈折率が低く熱伝導率が高い炭化ケイ素基板上のメンブレン分布反射器レーザーを提案する。このレーザーには、活性領域の光閉じ込めが大きく、高い注入電流密度での微分利得の低下が小さいため、変調効率が高いという特徴がある。我々は、活性領域の長さが50 μmのレーザーを使うことによって、42 GHzの緩和振動周波数を達成した。この共振器は、フォトン寿命が短くなるように設計され、しきい値キャリア密度を低く保ちつつ減衰効果を抑えており、60 GHzの固有3dB帯域幅(f3dB)が得られた。我々は、集積された出力導波路からの光フィードバックによる95 GHzのフォトン・フォトン共鳴を利用することによって、108 GHzのf3dBを達成し、475 fJ bit-1の直流電気入力エネルギーコストで256 Gbit s-1の4値パルス振幅変調を実証している。

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