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シリコンフォトニクスにおける電気駆動による音響光学と広帯域非相反性

Nature Photonics 15, 1 doi: 10.1038/s41566-020-00711-9

調整可能なフォトン–フォノン相互作用に基づく新たな技術によって、高忠実度情報処理から非相反光学や量子状態制御までさまざまな新しい可能性がもたらされると期待されている。しかし、そうした光と音の結合を実現させた既存の多くの例では、スケーラブルな集積フォトニック回路と共に実装することが困難な非従来型の材料や作製方式が用いられている。今回我々は、電気駆動表面弾性波(SAW)を用いて、シリコン導波路内での直接音響光学変調を実証している。我々は、電気機械的SAW変換器と標準的なシリコン・オン・インシュレーター・フォトニックプラットフォームを共集積することによって、シリコンの強い弾性光学効果を利用し、1~5 GHzの進行波位相変調器とシングルサイドバンド振幅変調器を作製した。そのインデックス変調強度は、電気光学技術に匹敵する。我々は、この非局所相互作用をセンチメートルスケールに拡張することによって、動作帯域幅が100 GHzを超え、挿入損失が0.6 dB未満の非相反的変調を実証した。この音響光学プラットフォームは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)加工プロセスと既存のシリコンフォトニックデバイス構造に適合し、集積フォトニック回路におけるフレキシブル低損失変調器、非磁性の光アイソレーターや光サーキュレーターの実現への道を開くものである。

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