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低チャープ・アイソレーターフリー・65 GHz帯域幅直接変調レーザー
Nature Photonics 15, 1 doi: 10.1038/s41566-020-00742-2
現在、通信トラフィックが増え続ける中で、データ通信システムの消費電力を最小限に抑えることが課題になっている。レーザーの直接変調は、レーザー自体と同じくらい古い技術であり、エネルギー効率が高く安価であることで知られている。しかし、直接変調レーザーの変調帯域幅は、外部変調器の変調帯域幅よりも狭い。本論文では、3つの帯域幅拡大効果、すなわち離調ローディング、光子–光子共鳴、共振器内周波数変調–振幅変調変換を利用することによって、3種の直接変調レーザー設計実装について65~75 GHzという広い帯域幅を報告する。チャープの大幅な低減(α < 1.0)と、最大40%の反射の下でのアイソレーターフリー動作も実現された。Oバンドにおいて15 kmの標準的なシングルモードファイバーにわたって294.7 Gb s−1という高速データ伝送が実証された。レーザー出力が13.6 dBmと高いため、この高速データ伝送は光ファイバー増幅器を用いずに達成された。