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金属有機構造体中で安定化されたペロブスカイトナノ結晶を用いて作製した安定な高輝度発光ダイオード
Nature Photonics 15, 11 doi: 10.1038/s41566-021-00857-0
ペロブスカイトナノ結晶は、非常に優れた発光ダイオード(LED)材料候補である。しかし、ペロブスカイトナノ結晶は固体膜中で不安定で、劣化してバルク相に戻る傾向にあるため、LEDとしての可能性が損なわれている。今回我々は、金属有機構造体(MOF)薄膜中で安定化されたペロブスカイトナノ結晶によって、安定な高輝度LEDが得られることを実証する。MOF薄膜中のペロブスカイトナノ結晶は、連続的な紫外線照射、熱的ストレス、電気的ストレスに耐えてフォトルミネッセンスとエレクトロルミネッセンスを維持できる。光学分光測定やX線分光測定から明らかなように、強い発光は局所的なキャリア再結合に起因している。ペロブスカイト–MOFナノ結晶から作製した高輝度LEDは、デバイスが安定化した後、15%を超える最大外部量子効率と105 cd m−2を超える高い輝度を示すことが実証された。LEDの動作中に、ナノ結晶は十分維持され、MOFマトリックスで保護されることによってイオンマイグレーションや結晶融合が起こらなくなるため、50時間にわたって性能が安定している。