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溶液プロセスで作製した、アクロマティック4分の1波長板としての無機ペロブスカイト結晶

Nature Photonics 15, 11 doi: 10.1038/s41566-021-00865-0

フォトニクスでは、偏光を制御するために波長板が広く用いられている。波長板は、結晶軸に対して平行な方向と垂直な方向で屈折率が異なる複屈折結晶から作製されることが多い。同様の光学的構成要素は自然界にも見られ、シャコ類の眼や、シャコガイ、魚類、植物のイリデッセンスなどの例がある。生物における光遅延は精巧な自己集合に基づいているのに対し、人工の系は多層材料からなっている。今回我々は、これらの2つの設計原理の間を埋める発見について報告する。我々は、CsPbBr3ナノ結晶が埋め込まれたCs4PbBr6ペロブスカイト結晶について、可視・近赤外(532~800 nm)域における広帯域アクロマティック遅延を観測した。我々は、この観測結果を、ホスト結晶へのナノ結晶の規則正しい埋め込みに起因する常光線と異常光線の屈折率の分散のマッチングとして説明する。このペロブスカイト材料は、広帯域性能を持ち、作製が容易なので、将来の応用に魅力的である。

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