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フォトニック集積型量子秘密通信システム
Nature Photonics 15, 11 doi: 10.1038/s41566-021-00873-0
フォトニック集積回路は、量子通信の広範な実用展開の実現にかなり有望である。しかし、構成要素の機能については素晴らしい実験結果がでているにもかかわらず、フォトニックチップを用いて完全動作する量子通信システムはまだ実証されていない。今回我々は、ギガヘルツクロックレートでの量子乱数発生と量子鍵配送向けの、小型モジュール化したフォトニック集積回路に基づく完全独立型秘密通信システムを実証している。量子鍵配送に用いられるビット値、基底選択、デコイパルス強度は無作為に選択され、4 Gb s–1で動作するチップベースの量子乱数生成器の出力に基づいている。100 Gb s–1回線速度のデータ暗号化システムについては、誤り訂正とプライバシー増幅がリアルタイムで行われ、情報理論的秘密鍵が生成される。我々は、フィードバック制御を用いて都市圏ファイバー長にわたって量子ビット位相と伝搬遅延を安定化し、量子秘密通信システムの長期連続動作を実証した。今回の結果は、量子フォトニックチップに基づく量子通信の現実的な展開への重要なマイルストーンとなる。