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フォノン媒介フォトニックAutler–Townes分裂による電気駆動型光アイソレーション

Nature Photonics 15, 11 doi: 10.1038/s41566-021-00884-x

現在の光アイソレーターは磁気光学的原理のみに基づいているが、フォトニック集積回路内での実装が容易ではない。これまで、磁石を用いない代替手法によって、線形性(すなわち周波数シフトなし)、線形応答(すなわち入出力スケーリング)、非常に低い挿入損失、チップ上での大きな方向性コントラストを同時に実現させた例はない。今回我々は、短い高品質誘電体導波路の非常に優れた透過性と臨界結合吸収体による強い減衰を利用した、電気駆動型光アイソレーター設計を実証している。今回のコンセプトは、フォノン媒介フォトニックAutler–Townes分裂によって共振モードのカイラル対称性が破られる、ニオブ酸リチウム・レーストラック共振器を用いて実装されている。我々は、1550 nm近傍と780 nm近傍の1オクターブ離れた波長において、同じニオブ酸リチウム・オン・インシュレーター・ウエハーから作製したアイソレーターを実証している。線形アイソレーションが実証されており、1 dB未満の挿入損失、39 dBを超えるコントラスト、最高約200 MHz の10 dB帯域幅が同時に得られている。

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