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超高速タイミングによって可能になった再構成不要の陽電子放射断層撮影

Nature Photonics 15, 12 doi: 10.1038/s41566-021-00871-2

X線光子やガンマ線光子は、撮像に広く用いられているが、トモグラフィーと呼ばれる測定データから断面画像を生成する数学的再構成段階が必要である。理論的には、陽電子–電子消滅によって生じたback to back消滅光子の三次元空間における位置は、トモグラフィー再構成をせずに、飛行時間情報を用いて直接特定できる。しかし、利用可能な放射線検出器のタイミング性能が不十分であるため、まだこれは実証されていない。今回我々は、即発的に放射されるチェレンコフ光子の検出に基づく手法を開発し、畳み込みニューラルネットワークを併用してタイミングを推定することで、空間精度4.8 mmに相当する平均タイミング精度32 psを得ている。我々は、トモグラフィー再構成アルゴリズムを用いることなくずに、検出された同時消滅光子から陽電子放出放射性核種の断面画像を直接生成するのに、この性能が十分であることを示している。今回実証した再構成不要の撮像は、陽電子放出の位置を直接特定するとともに、トモグラフィー再構成に通常存在する幾何学的制約やサンプリングの制約から、撮像システムの設計を解放するものである。

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