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エンタングル光子を用いる分散型量子位相推定
Nature Photonics 15, 2 doi: 10.1038/s41566-020-00718-2
分散型量子計測は、空間的に分散したパラメーターのセンシングの感度を、古典的限界を超えて高めることができる。今回我々は、離散変数を用いて分散型量子位相推定を実証し、ハイゼンベルグ限界の位相測定を実現している。我々は、モードと粒子の並列エンタングルメントに基づいて、個別の位相シフトと平均位相シフトの両方について分散型量子センシングを実証しており、ショット雑音限界を最大で1.4 dBおよび2.7 dB下回る誤り低減を実現した。さらに我々は、並列モードエンタングルメント方式と、各モードで位相シフターを複数回通過させる方式を組み合わせた戦略を実証している。特に、今回の実験では、それぞれ位相シフターを最高6回通過する6つのエンタングル光子を用いて、ショット雑音限界を最大で4.7 dB下回る誤り低減において、光子通過総数N = 21を達成した。今回の研究結果は、一般的な量子ネットワークにおける分散型量子センシングについて、エンタングルメントとコヒーレンスの有益性を忠実に検証している。