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アト秒電子ダイナミクスの直接マッピング

Nature Photonics 15, 3 doi: 10.1038/s41566-020-00730-6

光と電子のサブサイクル相互作用は、自由電子レーザー、アト秒科学、物質の動的研究における重要な最先端領域の1つである。光場を用いて電子の基礎的なサブサイクルダイナミクスを捉えることで、かつてない時間分解能で興味深い見通しが得られると期待される。しかし、同期の要求が厳しいため、その実現には至っていない。今回我々は、周期的な電子バンチフリンジの直接的な空間的観測によって、準相対論的レーザー強度の下でプラズマミラーから放出される自由電子のダイナミクスを明らかにするレーザーストリーキングの概念を実証する。場が誘起する電子ビーム偏向によって、約60 μrad as−1というストリーキング速度のサブサイクル電荷ダイナミクスが示された。これによって、アト秒分解能の計測が可能になり、プラズマミラーにおける光場誘起電子ダイナミクスについてより直接的な証拠が得られた。今回の結果は、これまでにないアト秒ダイナミクスの特性評価をもたらし、アト秒電子と高強度レーザーの相互作用の広範な実験的研究への道を開くものである。

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