Article

単一層ヘテロ相ハライドペロブスカイトに基づく高効率かつ高輝度の白色発光ダイオード

Nature Photonics 15, 3 doi: 10.1038/s41566-020-00743-1

現在、電気照明は世界の電力消費量の約15%を占めているため、効率が高く安価な照明技術の採用が重要である。ハライドペロブスカイトは、純粋な赤色光、緑色光、青色光を発する優れた発光体となることが示されているが、照明用途に適した高効率の広帯域白色エレクトロルミネッセンス光源が望まれている。今回我々は、GaN白色LEDとは異なり、広帯域発光層が一層だけで蛍光体を含まないことを特徴とする、溶液プロセスによるヘテロ相ハライドペロブスカイトに基づく白色発光ダイオード(LED)戦略を報告する。今回のLEDは、バイアス6.6 Vのときのピーク輝度が1万2200 cd m−2で、電流密度8.3 mA cm−2のとき6.5%の最大外部量子効率で動作する。系統的なin situ特性評価とex situ特性評価によって、効率的なエレクトロルミネッセンスの機構は、α相CsPbI3への電荷注入、αからδへの電荷移動、バランスの取れたα–δ放射再結合であることが明らかになった。今後、作製技術と機構的理解が進めば、デバイス効率と輝度がさらに向上するはずである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度