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CMOS対応超高Q微小共振器を用いたヘルツ線幅の半導体レーザー

Nature Photonics 15, 5 doi: 10.1038/s41566-021-00761-7

狭線幅ベンチトップレーザーに後押しされ、光通信、計測学、センシングにわたるコヒーレント光学システムが無類の性能を発揮している。こうした性能を実験室から現実世界に移行させるのに欠けている重要な要素は、コヒーレンスの優れた量産型集積レーザーである。今回我々は、CMOSファウンドリーで作製した、2億6000万を超える高いQ値と4万2000を超えるフィネスを示す微小共振器を用いて、従来の半導体レーザーとコヒーレント光学システムの橋渡しをしている。励起レーザーにおいて5桁の雑音低減が実証され、電気励起集積レーザーにおいて0.2 Hz2 Hz−1の周波数雑音が実現できるようになった。これは短期線幅1.2 Hzに相当する。さらに、特定の非線形プラットフォームを不利にしてきたマイクロコムの生成に必要な分散条件が、同じ構成で緩和されることが示されている。製造工場ベースの技術を用いたこのQ値の高い高コヒーレントレーザーと周波数コムの同時実現は、さまざまなコヒーレント光学システムの大量生産への道を開くものである。

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