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シリコンフォトニクスを用いた高感度・小型・広帯域・スケーラブルなオプトメカニカル超音波センサー
Nature Photonics 15, 5 doi: 10.1038/s41566-021-00776-0
超音波診断や光音響トモグラフィーは近年、ハードウエアやアルゴリズムに大きな進展が見られている。しかし、現在のハイエンドシステムは、依然として圧電センサー素子のマトリックスを使用しており、新たな応用には、高感度で、広帯域検出ができ、小型で、ファインピッチ化マトリックスへのスケーラビリティーを備えたセンサーが必要である。本研究では、革新的なオプトメカニカル導波路によって極めて高い感度を持つ、シリコンフォトニック技術における超音波センサーを実証する。この導波路には、2つの可動部の間に15 nmの微小な空隙があり、これはCMOSに互換性のある新しい処理で作製されている。この20 μmの小型センサーは、音響機械雑音が支配的である3〜30 MHzの測定範囲において、雑音等価圧力が1.3mPa Hz−1/2未満であった。これは、同じサイズの圧電素子に比べて2桁以上優れている。オンチップフォトニック多重化を備えた今回実証したセンサーマトリックスは、各素子に電気的な接続を行う典型的な圧電センサーとは異なり、わずか数本の光ファイバーを使ってセンサーマトリックスに信号を送る小型カテーテルの可能性をもたらす。