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2つの離れた原子キュービットの非破壊ベル測定
Nature Photonics 15, 7 doi: 10.1038/s41566-021-00802-1
量子ネットワークの最も魅力的な側面の1つは、非局所的な通信資源としてエンタングルメントを配送する能力である。これには、最初のステップとして、エンタングル状態を生成して蓄積できる、ネットワークに対応した素子が必要になる。しかし、もう1つの不可欠なステップは、エンタングルメントの検出を可能にする測定技術の開発である。さまざまなプラットフォームにおける実証は、完全ではなかったり、破壊的であったり、局所的であったりした。今回我々は、2つの空間的に離れたネットワークノードのいかなる初期状態をも常に最大にエンタングルした状態へ射影する、完全で非破壊的な測定スキームを実証する。各ノードは、光共振器の内部にトラップされた1個の原子からなり、この光共振器で2つの光子が連続して反射される。この光子の偏光測定によって、4つの最大にエンタングルした状態が区別される。注目すべきは、それらの状態が今回の測定によって破壊されないことである。今回の手法は、エンタングルメントの崩壊を調べたり、測定を繰り返すことによって位相緩和に抗してエンタングルメントを安定化したりするのに、将来役立つ可能性がある。