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極性遷移の設定が可能な中赤外半金属偏光検出器
Nature Photonics 15, 8 doi: 10.1038/s41566-021-00819-6
偏光に敏感なオンチップ光検出器は、次世代超小型偏光計に独特な機会をもたらす。これまでのところ、主要な方法は、天然材料や人工構造の異方性吸収に頼っていた。しかし、そうしたモデルは、偏光比(PR)と複減衰の相関関係によって本質的に制限されるため、PR値が小さくなる(1 < PR < 10)。今回我々は、半金属におけるベクトル的非局所光応答を利用することによって極性遷移を設定可能にするナノアンテナ媒介半金属光検出器を報告する。ナノアンテナの方向を調整することによって、PR値が正(ユニポーラー領域)から負(バイポーラー領域)へと変化し、可能な全ての数(1 → ∞/−∞ → −1)がカバーされる。特に、極性遷移点におけるPR値は、無限大に近づく可能性がある。これによって、そうした極性遷移は、従来のPRと複減衰の関係を超える。さらに、今回のデバイスによって、中赤外領域における0.02°Hz−1/2までの偏光角摂動の微妙な測定が可能になる。今回の知見は、小型偏光計向けの有望な材料プラットフォームとしての半金属の可能性を浮き彫りにしている。