Letter
高効率かつ広帯域のオンチップ電気光学周波数コム生成器
Nature Photonics 16, 10 doi: 10.1038/s41566-022-01059-y
集積フォトニクスの進歩は、通信、測距、分光法、周波数計測学、光コンピューティング、量子情報を含むさまざまな応用をサポートする安定した小型広帯域コム生成器につながっている。広帯域光周波数コムは、光が光共振器を循環しながら位相変調器を複数回通過する電気光学共振器において生成できる。しかし、広帯域電気光学周波数コムは、今のところ低い変換効率によって制限されている。今回我々は、ニオブ酸リチウム薄膜上の結合共振器プラットフォームに基づく、変換効率が30%で光学スパンが132 nmの集積電気光学周波数コムを実証している。さらに我々は、そうした高い効率によって、このデバイスがオンチップフェムト秒パルス光源(パルス持続時間336 fs)となることを示している。このことは、非線形光学、センシング、コンピューティングへの応用に重要である。一例として、我々は、この超高速高出力領域において、電気光学効果と3次非線形効果を同時に示す周波数コムを実証する。今回のデバイスは、実用的な光周波数コム生成器への道を開くとともに、同時に複数の非線形性を伴う新しい領域の光物理を調べるプラットフォームをもたらす。