埋め込まれた二次元材料によるファイバー内第二高調波生成

シリカ系光ファイバーは、非線形光学の主力製品であり、ソリトンや自己位相変調などのさまざまな非線形現象を容易に利用可能にしている。しかし、シリカ系光ファイバーには、非晶質性であるため、表面からの無視できるほどの寄与を除いて二次非線形性を示さないという、基本的な制約がある。今回我々は、ファイバーのコアの表面に直接成長させた高非線形性MoS₂の単層を用いることによって機能化された光ファイバーにおいて、第二高調波生成を実証している。MoS₂で機能化されたこのファイバーは、44 pm V^–1という値の二次感受率（χ⁽²⁾）と、0.2 × 10⁻³ m⁻² W⁻¹という第二高調波生成変換効率を示している。この方法は、スケーラブルで、他の遷移金属ジカルコゲニドやさまざまな導波路系に一般化できる。今回の結果は、効率の良いファイバー内第二高調波生成源を目指す新しい方法を実証するとともに、χ⁽²⁾に基づく非線形ファイバー光学向けプラットフォーム、オプトエレクトロニクス、フォトニックプラットフォーム、集積光学アーキテクチャー、アクティブファイバーネットワークを確立する可能性がある。