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二色二段階吸収による光シート3Dマイクロプリンティング
Nature Photonics 16, 11 doi: 10.1038/s41566-022-01081-0
ポリマーの高速・高解像度3Dプリンティングは、多くの用途に非常に望ましいが、まだ技術的に困難である。現在、光学ベースのプリンティングが優勢である。投影ベースの線形光学的方法によって、毎秒約106ボクセルという高いプリント速度が達成されているが、ボクセル体積は100 μm3を超えている。走査ベースの非線形光学的方法によって、1 μm3未満のボクセル体積が達成されたが、プリント速度が遅いか、フェムト秒レーザーが必要なためコストが高いという欠点がある。今回我々は、光シート3Dレーザーマイクロプリンティングと呼ぶ方法を報告する。この方法では、画像投影と、二色二段階吸収に基づくAND型光学非線形性を組み合わせている。基礎となるフォトレジンは、光開始剤としての2,3-ブタンジオン、捕捉剤としての(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシル、多官能性モノマーとしてのジペンタエリスリトール・ヘキサアクリレートから構成されている。我々は、投影に波長440 nmの連続波レーザーダイオードを、光シートに波長660 nmの連続波レーザーを用いて、ボクセル体積0.55 μm3で毎秒7 × 106ボクセルのピークプリント速度を達成している。