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量子Gouy位相の観測

Nature Photonics 16, 12 doi: 10.1038/s41566-022-01077-w

フォトニック量子状態の発展の制御は、量子情報処理タスクや量子計測タスクの大半に不可欠である。多くの量子状態発展機構は、重要であるため、詳細に検証され、十分に理解されている。しかし、Gouy位相と呼ばれる、発展する波の基本的な位相異常については、光の基本的量子状態、特に光子数状態の場合において、限られた数の研究しかされていない。今回我々は、伝搬時の量子状態発展を計算する単純な方法を概説し、この量子Gouy位相が二光子量子状態にどのような影響を及ぼすかを実験で示す。今回の結果は、多光子状態の位相感度の増大がこの基本的位相異常にも及んでおり、状態発展を十分理解するには位相感度の増大を考慮に入れなければならないことを示している。さらに我々は、Gouy位相をツールとして用いて将来の量子技術におけるあらゆるボソン系の量子状態を操作する方法を実証し、量子増強センシングへの応用の可能性を概説するとともに、多光子量子状態の位相感度の増大が有効ド・ブロイ波長のみに起因すると考えるありがちな誤解を解いた。

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