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高性能X線イメージングシンチレーターのための熱活性化遅延蛍光団の重原子エンジニアリング

Nature Photonics 16, 12 doi: 10.1038/s41566-022-01092-x

光収率が高く検出限界が非常に低いとともに、優れたイメージング解像度を持つ安価で信頼性の高い有機X線イメージングシンチレーターの構造設計と作製は、そうしたデバイスに科学的な影響や応用技術的な影響が期待できるため、化学、材料科学、物理学、技術において最も魅力的な研究方向の1つになりつつある。しかし、有機シンチレーション物質のX線吸収能、励起子利用効率、フォトルミネッセンス量子収率の間の最適バランスは、項間交差や内部転換を含めて、競合するいくつかの無放射過程があるため、極めて実現が難しい。今回我々は、熱活性化遅延蛍光(TADF)発色団に重原子(Cl、Br、I)を導入して、X線吸収断面積を著しく大きくするとともに、独特なTADF特性と高いフォトルミネッセンス量子収率を維持した。TADF-Br発色団を用いて作製したX線イメージングスクリーンは、TADF-H発色団の場合と比較して、X線感度とイメージング解像度の大幅な向上を示した。より重要なのは、TADF-Brスクリーンによって達成された18.0 lp mm−1(line pairs per millimetre)を超える高いX線イメージング解像度が、これまで報告された有機シンチレーターや従来型無機シンチレーターの大半の解像度を上回っていることである。今回の研究は、有機X線イメージングシンチレーターの研究の復活に役立つとともに、放射線学やセキュリティーチェックに関するエキサイティングな応用への道を開く可能性がある。

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