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シリコンチップ上の高Q値フォトニック結晶ナノ共振器間の電気的に制御されたオンデマンド光子転送
Nature Photonics 16, 2 doi: 10.1038/s41566-021-00910-y
光信号と電気信号の間の変換を介さない光バッファーメモリーを用いれば、低遅延かつ低エネルギー消費の光ネットワークを実現できる。フォトニック結晶ナノ共振器は、非常に小さな領域に光子を長時間閉じ込めることができるため、そうした光バッファーメモリーの中心的構成要素として使用できる可能性がある。しかし、ナノ共振器間においてオンデマンドで光子を転送するスケーラブルな方法が必要である。今回我々は、シリコンチップ上の超高Q値ナノ共振器結合システムの電気的制御を実現するフォトニクス・エレクトロニクス集積ソリューションを実証する。このシステムでは、制御用共振器に電圧パルスを印加することによって、2つの光保持用ナノ共振器の片方に閉じ込められた光子をもう片方の光保持用ナノ共振器に転送することができる。その結果、76%という転送効率と1.3 nsという転送後の共振器光子寿命が達成された。