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窒化シリコンマイクロ共振器における光学的に再構成可能な擬似位相整合
Nature Photonics 16, 2 doi: 10.1038/s41566-021-00925-5
擬似位相整合は、以前から非線形フォトニクスにおいて広く用いられている方法であり、第二高調波生成などの高効率パラメトリック周波数変換を可能にする。しかし、シリコンフォトニクスでは、フォトニック集積に最適な材料の二次感受率(χ(2))が小さいため、このタスクは依然として困難で、運動量保存を達成する手段が限られている。今回我々は、大半径窒化シリコンマイクロ共振器における光学的に再構成可能な擬似位相整合によって、最高12.5 mWのオンチップ生成第二高調波出力と47.6% W−1の変換効率を達成したことを報告する。最も重要なのは、モード間位相整合の制約なしにそうした全光ポーリングが起こり、広く調整可能な第二高調波生成につながることを我々が示したことである。我々は、マイクロ共振器内に刻印されたχ(2)回折格子構造の二光子撮像と、全光ポーリング時のポンプ共振と第二高調波モード共振の両者のin situ追跡によって、この現象を確認している。今回の結果は、共振系であっても、全光ポーリングの原因である光ガルバノ効果によって位相不整合の制約を克服できることを明確に立証している。