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アト秒ゲート干渉法でトンネル障壁の下を見る
Nature Photonics 16, 4 doi: 10.1038/s41566-022-00955-7
干渉法は、当初から波動光学の中核をなしており、光場のコヒーレンスを分解するとともに、エンコードされた光学情報の完全再構成を可能にする。このコンセプトをアト秒時間領域に移行することによって、基礎的な超高速電子現象に新たな光が当たる。今回我々は、アト秒ゲート干渉法を導入し、最も基礎的な量子力学現象の1つである光場誘起トンネリングを調べた。今回の実験は、トンネル障壁の下の電子波動関数の発展を探るとともに、古典的に禁じられた領域を伝搬する電子によって得られた位相を記録している。我々は、電子波束の量子性を特定し、光サイクル内でその発展を捉えている。アト秒ゲート干渉法によって、高強度場が駆動する原子系、分子系、固体系の基礎的量子ダイナミクスが明らかになる可能性がある。