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実験的なフォトニック量子メモリスター

Nature Photonics 16, 4 doi: 10.1038/s41566-022-00973-5

メムリスティブデバイスは、入出力関係の特徴的なヒステリシスループを持つ履歴依存ダイナミクスを示す一群の物理系である。メムリスティブデバイスは、この数十年間で、エレクトロニクスにおいて大きな注目を集めるようになった。これは、メムリスティブダイナミクスには、ナノスケールデバイスに広く使われるようになる可能性があり、エネルギー効率の良いメモリーから物理ニューラルネットワークやニューロモルフィックコンピューティングプラットフォームまで、さまざまな潜在的に革新的な応用があるためである。最近、いくつかの提案によって量子メモリスターの概念が導入されているが、その全てが技術的な実用性の限界に直面している。今回我々は、単一光子状態に作用する、集積フォトニクスに基づく新たな量子光メモリスターを提案し、実験的に実証している。我々は、今回のデバイスのメムリスティブダイナミクスを完全に特徴付け、その量子出力状態をトモグラフィーによって再構築している。最後に我々は、量子リザーバーコンピューティングのスキームを通した量子機械学習の枠組みにおいて今回のデバイスに見込まれる応用を提案し、古典学習タスクと量子学習タスクに適用している。今回のシミュレーションは、有望な結果を示し、量子ニューロモルフィックアーキテクチャーにおける量子メモリスターの利用への新たな扉を開く可能性がある。

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