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複雑媒質におけるベクトル構造化光の不変性を明らかにする
Nature Photonics 16, 7 doi: 10.1038/s41566-022-01023-w
光学収差は、集束や画像化が達成できる分解能に基本的制約を課す。構造化光においては、光学的欠陥、光学的ミスアライメント、乱気流、水中、光ファイバーなどの擾乱媒質が光の空間的パターンの振幅と位相をゆがめる。今回我々は、そうした擾乱がユニタリーであれば、ベクトル構造化光を規定する偏光不均一性はそうした擾乱全てに影響されないことを示す。一例として、我々は、高収差系を通して伝搬するベクトル渦ビームのロバスト性を調べ、媒質自体が変化しても偏光の不均一性が不変のままであることを実証する。チャネルがユニタリー性であるため、単純な無損失操作を通してこの変化を打ち消すことができる。今回の方法は、非理想的な光学系を通してであっても、ベクトル構造化光のさまざまな応用への道を開く。このことは、画像化や、雑音の多い通信路における光通信などの応用に重要である。