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光の鏡映対称なオンチップ周波数サーキュレーション

Nature Photonics 16, 8 doi: 10.1038/s41566-022-01026-7

集積されたサーキュレーターやアイソレーターは、レーザー共振器、通信システム、量子情報プロセッサーなどのオンチップ光技術の開発に重要である。こうしたデバイスは、前向きと後ろ向きの伝搬を分離するために、本来的に鏡映対称性を破る必要があると思われるため、これまでに実現されたデバイスは、磁性材料や伝搬する波によって生じる相互作用に依存している。今回我々は、これまでの研究とは対照的に、鏡映対称な非相反デバイスを提示する。このデバイスは、ニオブ酸リチウム薄膜に作られた、連結された3つのフォトニック共振器からなる。我々は、この系を無線周波数で変調して、周波数固有モード間の変換を駆動している。我々は、1550 nm付近の約75 mWの無線周波数出力で、約40 dBのアイソレーションを測定している。同時に我々は、すべての固有モード間の非相反変換を生じさせて、サーキュレーションを実証している。鏡映対称なサーキュレーションによって、非相反集積デバイスの作製と動作が容易になる。最後に我々は、単一導波路内部での全二重アイソレーションなど、こうしたオンチップアイソレーターやサーキュレーターの応用を検討している。

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