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ホットスポット量子化による直交時間–振幅多重化を用いた読み出し効率の高い超伝導ナノワイヤー単一光子イメージャー

Nature Photonics 17, 1 doi: 10.1038/s41566-022-01089-6

単一の検出器について既に実証された優れた性能を考慮すると、超伝導ナノワイヤー単一光子検出器を大規模アレイにスケールアップしてイメージング機能を得ることは、光子飢餓条件下での応用に望ましい。しかし、動作温度が非常に低いため、電力損失が非常に低い特定の電子機器しか動作させることができないので、これは困難である。今回我々は、直交時間–振幅多重化方法を導入することによって、キロピクセルのイメージャーを開発している。この読み出しは、超伝導ナノワイヤー構造を幾何学的に設計して、ホットスポットの拡大と光子検出後のマイクロ波伝搬を操作することによって、超伝導ナノワイヤーにおいてのみ構築される。結果として、ピクセルの位置は、出力パルスの時間領域と振幅領域の両方にエンコードされる。この二重多重化方法は、時間測定の不確かさによって空間分解能やスケーラビリティーが損なわれるこれまでの時間多重化読み出しの制約を克服する。我々は、2つの読み出しラインを用いて、平均読み出しピクセル忠実度97%、平均時間分解能67.3 psの32 × 32イメージャーを実験的に実証した。このイメージャーの性能は、さらに、1ピクセル当たり検出光子が最低1個という低光子フラックスでの単一光子イメージング実験によって検証された。この直交時間–振幅多重化読み出しと対応するナノワイヤー設計は、これまでの方法と比較して、最も効率の高い読み出しをもたらす。これによって、量子測定、リモートセンシング、天体望遠鏡などのための大規模単一光子イメージャーの開発が促進されると思われる。

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