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「メビウスの帯」型光共振器におけるベリー位相の実験的観測

Nature Photonics 17, 1 doi: 10.1038/s41566-022-01107-7

メビウスの帯は、1つの面で構成されるトポロジーを持つ興味深いループ構造で、実空間とパラメーター空間の両方において、電子、ポラリトン、光子などの回転粒子の非自明なトポロジカル挙動を操作する豊かな研究の場をもたらす。「メビウスの帯」型共振器において共振する光子では、純粋にトポロジカルな起源を持つベリー位相と呼ばれる余分な位相の発生は、パラメーター空間におけるその非自明な発展に起因すると予想されている。しかし、数多くの理論的研究にもかかわらず、「メビウスの帯」型共振器における光ベリー位相の特性評価はまだ困難である。今回我々は、「メビウスの帯」型光マイクロ共振器に生成されたベリー位相を実験的に観測したことを報告する。我々は、ベリー位相πのみが生じる光学的、電子的、磁気的なメビウストポロジー系における理論的予測とは対照的に、楕円偏光の共振光を生成することによって、πより小さい可変ベリー位相が得られることを実証する。集積可能かつベリー位相プログラム可能な光学系としての「メビウスの帯」型マイクロ共振器は、トポロジカル物理学、新たな古典的フォトニクスや量子フォトニクスへの応用において非常に興味深い。

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