100ピクセル光子数分解検出器によって明らかになった光子統計

単一光子検出器は、量子情報科学や量子センシングにおいて随所で見られる。そうした検出器は、数多くの科学的発見や量子光学の基礎的検証を可能にする主要技術である。光子数分解検出器は、究極の光測定ツールであるが、数光子レベルで忠実度の高い光子数分解を実現できる検出器は、これまでのところほとんどない。今回我々は、単一光導波路に沿って超伝導ナノワイヤーアレイを時空間的に多重化することによって、最高で100光子を分解できるオンチップ検出器を実証する。この前例のない光子数分解能と高速応答の組み合わせによってのみ、かつてないレベルで真の熱的光源の量子光子統計を明らかにすることが可能になった。これは、高次相関関数g^(N)（Nの値は最高で15）の直接測定、光子抜き取りによって誘起される光子数増大の観測、コヒーレント光源に対する量子限界状態識別によって実現されている。今回の検出器によって、フォトニック量子計算や量子計測を含むさまざまな重要な応用に向けて実行可能な手段が得られる。