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格子整合電子輸送層を介したペロブスカイト太陽電池における埋没界面の操作
Nature Photonics 17, 10 doi: 10.1038/s41566-023-01247-4
ペロブスカイト太陽電池(PSC)の露出上面の改良は、その性能の向上に大きく寄与している。同じく重要な埋没界面(すなわち、ペロブスカイト膜の隠れた下面で、ペロブスカイト膜の結晶化が始まる面)は、目的に合わせて調節することが非常に困難であるため、それほど研究されていない。今回我々は、大面積埋没界面を直接調べるために非破壊的に露出させた。我々は、ペロブスカイト膜成長の始まりの乱れによって、埋没界面が劣化することを見いだした。我々は、この問題に取り組むため、パッシベーターを用いる代わりに、透明な導電性酸化物ペロブスカイト(SrSnO3)を合成し、電子輸送層として機能させた。高い格子整合性によって、電子輸送層上のハロゲン化ペロブスカイトの成長がより規則正しく始まり、劣化した埋没界面の形成を回避できるようになる。構築された埋没界面は、欠陥やひずみの抑制、結晶性の向上、イオンマイグレーションの低減、ボイドの減少を示している。最良性能のPSCでは、25.17%の電力変換効率が得られた。さらに、初期電力変換効率24.4%のPSCは、1000時間動作後も初期値の90%を維持していた。